「貧血とチアノーゼの違い」について詳しく説明!

貧血とチアノーゼの違い

唇の色が紫色になってしまうことを、チアノーゼだと思っている人は多いようですね。

唇の色が紫色になってしまう原因の1つにチアノーゼがありますが、この症状は貧血でも起こります。

そして貧血とチアノーゼも全く別の病気なので、今回は「貧血とチアノーゼの違い」についてご説明していきたいと思います。

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ヘモグロビンとは?

貧血とチアノーゼの違いを説明するには、まずヘモグロビンについて理解しておく必要があります。

ヘモグロビンは、血液中に含まれるタンパク質です。

ヘモグロビンの役割は、酸素とくっついて、体中に酸素を届けることです。

酸素とくっついているヘモグロビンを「酸化ヘモグロビン」と言い、酸素とくっついていないヘモグロビンを「還元ヘモグロビン」と言います。

 

貧血とは?

そして貧血とは、血液中のヘモグロビンの数が減った状態のことを言います。

WHOという世界保健機構の定義では、ヘモグロビンの値が妊婦の場合11g/dl以下、成人女性の場合12g/dl以下、成人男性の場合13g/dl以下になった状態と貧血と言います。

 

血液中のヘモグロビンが減ると、ヘモグロビンと結合できる酸素の量が少なくなり、体中に酸素が行き届かなくなります。

そして、体の末梢まで酸素が行き届かないことが原因で、唇が血色のない紫色のように見えてしまいます。

 

チアノーゼとは?

チアノーゼは、血液中のヘモグロビンが何らかの原因により酸素と結合できず、還元ヘモグロビンの量が増えてしまった状態です。

チアノーゼは、毛細血管中の血液で還元ヘモグロビン濃度が、5g/dl以上になった場合に起こるとされています。

 

還元ヘモグロビンは、通常の赤い色ではなく青紫色をしています。

そして皮膚が薄い場所や粘膜などでは、還元ヘモグロビンの青紫色が、体の表面に出てきます。

チアノーゼで唇が紫色に見えるのはこのためです。

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貧血の原因

貧血は、ヘモグロビンの量が減ることで起こりますが、ヘモグロビンの量が減る原因はいくつかあります。

ヘモグロビンを作る材料である鉄が足りない場合は、鉄欠乏性貧血が起こります。

貧血の原因では、鉄不足が最も多いです。

 

病気や妊娠中に二次的な症状で起こる貧血や、多量の出血などにより、血液が減ってしまう場合も貧血が起こります。

その他にも、ヘモグロビンを作るために必要なビタミンB12や葉酸が欠乏しても貧血は起こります。

 

チアノーゼの原因

チアノーゼには、中枢性のチアノーゼと末梢性のチアノーゼがあり、それぞれ原因が異なります。

中枢性のチアノーゼは心臓や肺に重い病気があり、動脈血液中の酸素量が減っていることが原因で起こります。

 

末梢性のチアノーゼは、末梢の血管に血液をうまく運べないことが原因で起こります。

産まれたばかりの赤ちゃんは、まだ血液をうまく循環させることが出来ていないので、末梢性のチアノーゼを起こしている事があります。

 

貧血の症状

次は、症状の違いを見ていきましょう。

貧血になると、めまいや立ちくらみ、息切れなどの症状が出てきます。

また、酸素が十分に体に送り込まれてないので、頭がボーっとしたり、疲れやすくなると言われています。

 

そして鉄欠乏性貧血では、舌のザラザラした感じが無くなったり、匙状爪と呼ばれる特有の症状も現れます。

貧血が重度になると、呼吸困難や失神を起こすこともあります。

 

チアノーゼの症状

チアノーゼの症状は、皮膚が青ざめているように見えることですが、中枢性チアノーゼの場合は舌も紫色のように見えることが特徴です。

チアノーゼの状態が続くと、様々な合併症を起こすことが知られています。

血小板が減少したり、脳梗塞や腎不全など体の色々な部位に影響が出てしまいます。

 

まとめ

同じように唇が紫色になっても、貧血は血液中酸素の量が原因で、チアノーゼは呼吸器系や心臓の病気が原因でした。

なので顔色が悪いと思っても、貧血かチアノーゼか分からないので、勝手に判断せず病院を受診するように下さい。

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