ほくろをいじる危険性3つ
「顔や体にあるほくろが気になって、無意識にいじってしまうんです・・・」
こんな経験のある方は多いのではないでしょうか?
しかし、ほくろはいじると危険なこともありますので、気を付けなければなりません。
今回は、ほくろをいじる危険性3つについて解説していきます。
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目次
そもそも「ほくろ」とは?
皮膚は体の一番外側にあり、紫外線など外部からの刺激を直接的に受けやすい場所です。
そして皮膚には、人体に悪影響を及ぼす電磁波のひとつである紫外線から健康な細胞を守るために、メラニン色素というものが含まれていて、紫外線を吸収する大切な役割をしています。
そのメラニン色素は通常、皮膚の中にまんべんなく広がっているのですが、時に母斑細胞というメラニン色素を含んでいる細胞が一箇所に集まってしまうことがあります。
そしてメラニン色素は黒褐色であるため、集まった場所には黒い点のようなものができます。
医学的にはこれを「色素性母斑」または「母斑細胞母斑」と呼び、悪影響のない良性腫瘍とされています。
そして一般的にこれを、「ほくろ」と呼ぶのです。
良性腫瘍と悪性腫瘍
良性腫瘍であるほくろは、体に悪い影響はなく、放置しても何の問題もありません。
しかし皮膚には、体に悪影響を及ぼす悪性腫瘍ができてしまうこともあります。
悪性腫瘍といえば、一番ポピュラーなものに「癌(がん)」があります。
実は皮膚にできる癌というのは、見た目が良性腫瘍であるほくろにそっくりでなかなか見分けがつかず、ほくろだと思い放置していたら、もう手の施しようがない状態になっていたというケースも少なくありません・・・。
皮膚癌の種類と見分け方
皮膚にできる癌には、
- 悪性黒色腫(メラノーマ)
- 基底細胞癌
- 有棘(ゆうきょく) 細胞癌
があります。
メラノーマ
悪性黒色腫であるメラノーマは、皮膚の色素であるメラニンを作りだす細胞メラノサイトや、ほくろの細胞である母斑細胞ががん化したものです。
ほくろにとても似ていますが、皮膚のがんの中でも非常に悪性度が高く、さらに進行も早く、転移してしまうことも多いです。
そしてメラノーマは、主に皮膚への刺激や紫外線が原因となりできてしまいますが、早期発見でき転移がなければ、治療はそんなに難しくありません。
メラノーマの症状としては
- 左右非対称性でほくろに似ている
- 周りがギザギザでにじんだような色
- 色がまばら
- 大きさが直径6mm以上
などがあります。
基底細胞癌
基底細胞癌は、皮膚の一番奥底にある「基底層」という部分の細胞が癌化したものです。
50歳以上の方が発症することが多く、さらに
- 60歳代が約25%
- 70歳以上が45%
と年齢が上がるごとに発症率も上がっていくことから、基底細胞癌の原因は「長年紫外線を浴び続けだこと」だと言われています。
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基底細胞癌の症状としては、
- 黒色から黒褐色で軽く盛り上がっていることが多い
- 数年間かかって徐々に大きくなる
- 中心部分が出血しやすくなる
などがあります。
痛みやかゆみなどの症状がほとんどないため、目視で見つけるしかありません。
有棘(ゆうきょく)細胞癌
有棘細胞癌は、皮膚の中間辺りにある有棘層という部分の細胞が癌化したものです。
主な原因は、紫外線や子宮けいがんの原因ウイルスです。
有棘細胞癌の症状は、
- 赤いできものような見た目である場合が多い
- ほくろのように黒く見えることもある
- 膿んでしまったり悪臭を放つことも
- 皮膚の表面が盛り上がり内部が壊死する
などがあり、70歳以上の男性に多い病気です。
ほくろをいじる危険性
ほくろと悪性腫瘍である癌は全く別物ですが、「ほくろはあまりいじらない方がよい」と言われるのはなぜなのでしょうか?
次に、ほくろをいじる危険性について解説していきます。
もしかしたら癌かもしれないから
「ほくろをいじると癌になる」と言われることが多く、それを信じている人も少なくありません。
しかし、ほくろはいじったからといって癌になることはありません。
しかし、ほくろなのか癌なのか分からない状態でむやみに刺激を与えてしまうと、もし癌であった場合は進行を促進してしまい、命に関わる状態になることもあります。
そして「ほくろなのか癌なのか」ということをを自分で見極めるのは難しいので、いじってしまうほど気になるような場合は、皮膚科を受診し相談しましょう。
ほくろが増える可能性があるから
ほくろだけに限らず、肌の一定の場所をしきりにこすったりしていじってしまうと、ほくろが増えてしまうことがあります。
これは、こすったりいじったりして刺激を与えてしまうと、ほくろの元になるメラノサイトという細胞が活発になる可能性があるからです。
なので、これ以上ほくろを増やしたくないという人は、肌を過剰にこすったりして、いじらないようにしましょう。
できれば洗顔やメイクの時も、肌にできるだけ負担をかけないようにした方がよいですね。
大きく・濃くなることがあるから
あまり刺激を受けにくい場所にあるほくろは、通常あまり大きくなりにくいですが、刺激を受けやすい場所にあるほくろは、大きくなりやすい傾向にあります。
メラニンを含んだ母斑細胞という細胞が増えることによりできるほくろは、紫外線により大きくなる場合もありますが、いじったり触ったりした外部刺激でも、メラニン色素が増え、ほくろが大きく濃くなることがあります。
顔などのほくろは特に気になり、いじってしまうことが多いですが、「ほくろを大きく濃くしたい」という人はあまりいないと思いますので、むやみに触ったりいじったりしないようにしましょう。
まとめ
あるとセクシーだと言われるほくろもありますが、ほくろがたくさんできてしまったり、目立ってしまうのはのは嫌なものですよね・・・。
ほくろをいじってしまうほど気になる場合、また様子のおかしいほくろがある場合は、一度皮膚科で看てもらってくださいね。
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