血液が濃い原因と対処法3選
血液検査や献血をした時、「血液が濃い」と言われることがありますが、血液が濃いとはどういうことなのでしょうか?
そこで今回は、血液が濃い原因2つと対処法3選について解説していきます。
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目次
血液が濃いとはどういうこと?
「血液が濃い」とは、「赤血球の数が多い」という意味です。
日本赤十字社によると、人間の血液は液体成分が約55%、細胞成分が約45%で出来ています。
そして液体成分の約91%は水分なのですが、細胞成分は
- 赤血球
- 白血球
- 血小板
この3種類の血球により成り立っていて、約90%が赤血球でできています。
そして赤血球には、「ヘモグロビン」という赤い色素を持つタンパク質が詰まっていて、肺から全身に酸素を送り届けるという役割があります。
また赤血球数は、健康状態を表すバロメーターのようなもので、多すぎても少なすぎても体に悪い影響があります。
そして、赤血球が少なく不足してしまうと貧血になり、増えすぎて血液が濃い状態になると、「多血症」という病気になってしまいます。
多血症とは?
「多血症」とは、骨髄で赤血球が異常に多く作られて、血液中の赤血球が増えすぎてしまった状態のことです。
発症しても特に症状がないことが多く、健康診断などの血液検査の数値で病気に気づくことが多いです。
赤血球が増えすぎると、血液がドロドロになってしまい血流が悪くなってしまいます。
そして血液が固まりやすく、さらに詰まりやすくなるため、
- 虚血性心疾患
- 脳梗塞
- 動脈硬化
- 血栓
などが起こりやすくなってしまいます。
血液が濃くなる原因
赤血球が増えて血液が濃くなる病気である多血症には、「絶対的多血症」と「相対的多血症」があり、それぞれ原因が異なります。
絶対的多血症
絶対的多血症には、赤血球が増える原因が不明な「真性多血症」と、病気が原因で赤血球が増加する「二次性多血症」があります。
真性多血症
真性多血症は、原因は不明なのですが、赤血球を作る機能が盛んになり、必要以上に赤血球を作ってしまうことにより起こります。
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また、赤血球だけでなく白血球や血小板なども増えてしまうことから、骨髄の異常増殖性の病気ではないかと考えられています。
真性多血症は、
- 頭痛やめまい
- 顔がほてる
- のぼせる
- 耳鳴り
などの症状があります。
中年の男性に多くみられ、癌や感染症などを併発してしまうこともあるので注意が必要です。
二次性多血症
二次性多血症は、真性多血症とほとんど同じ症状が現れますが、原因になる病気によって症状が増えることもあります。
二次性多血症は、
- 喫煙者
- 心臓や肺の病気のある人
- 高地居住者
など酸素不足になる人に多くみられ、酸素不足になると「エリスロポエチン」という赤血球を増やすホルモンの濃度が濃くなるため多血症になります。
相対的多血症
相対的多血症は、赤血球の数は変わらないのですが、血液中の水分量が減少し、赤血球の割合が高くなってしまうことが原因で起こる多血症のことです。
血液中の水分量は、下痢や嘔吐などが原因で減ってしまいます。
またストレスが溜まると、血管を収縮させる「アドレナリン」というものが分泌しますが、このアドレナリンにより血管が収縮してしまい、血液中の赤血球の割合が多くなることで発症するものは、「ストレス多血症」と呼ばれています。
血液が濃い場合の対処法
しっかり水分補給をする
血液中の水分が不足してしまうと、赤血球の割合が多くなって血液が濃くなるので、多血症につながってしまいます。
そこで特に運動や入浴時、また嘔吐や下痢などの症状があり水分不足になりそうな時は、しっかり水分補給するようにしましょう。
禁煙する
タバコを吸うと酸欠状態になってしまうため、酸素を全身に運ぶ役割のある赤血球は増えてしまい、血液が濃くドロドロになってしまうので、多血症を悪化させてしまいます。
なので、血液が濃いと言われた時は禁煙するようにしましょう。
病院を受診する
赤血球が多くなり血が濃くなる多血症は、自分ではなかなか治すことができません。
なので「血液が濃い」と言われた時は、できるだけ早めに病院を受診し、検査などをしてもらい、治療の必要があればしっかり治療を受けるようにしましょう。
多血症の程度にもよりますが、放射線療法や化学療法などにより、体内の赤血球の量を強制的に減少させるしかない場合もあります。
大きな病気になってしまう可能性もあるのでしっかり治療しておきましょう。
まとめ
「血液が濃い」と言われると、なんだが良いことのようにも聞こえますが、血がドロドロになっていると言われれば、とても怖くなりますよね・・・。
なので血液が濃いと言われた場合は、しっかり検査を受けて、医師の指示に従い治療を受けるようにしましょう。
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