お酒が強い人の基準
大人になると仲間との飲み会、会社の付き合いなど、様々な場面でお酒を飲む機会が増えますね。
そんな時、必ずといっていいほど話題となるのが「お酒の強さ」です。
お酒の強さに基準はあるのでしょうか?
今回は詳しく解説していきます。
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目次
お酒の強さは生まれつき決まっているの?
「いくらでもお酒を飲める」という、いわゆるザルの人。
逆に、一杯飲んだらすぐにダウンしてしまう下戸の人。
いろいろな方がいますが、なぜこんなにも違いがあるのでしょうか?
実は、お酒が飲める飲めないの体質は遺伝子に原因があると言われています。
つまりお酒の強さは生まれつきのもの。
「訓練が足りない」などのような理由ではないのです。
アルコールはどのように分解される?
体に入ったアルコールは以下のように段階を踏んで分解されていきます。
アルコール→アセトアルデヒド→酢酸→水と二酸化炭素→体外へ排出
この段階の中でアセトアルデヒドを分解するのが、アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)というものです。
そして、このALDHがうまく働くかどうかで、お酒の強さが左右されるのです。
お酒の強さを決定付けるALDHの働き
少し複雑な話になりますが、アセトアルデヒドを酢酸に分解するのには数種類のALDHが関わっています。
その中の一つ、ALDH2を作る遺伝子の型の違いこそが、お酒の強い弱いを決定付けているのです。
- アセトアルデヒドの分解が早く、お酒がたくさん飲めるNN型
- 分解がそこそこ、お酒もそこそこ飲めるND型
- ほとんどアルコールを受けつけないDD型
この3タイプに分けることができます。
ちなみに、日本人の中の37%~38%はお酒に弱く、6%~7%は全く飲めない体質ということになります。
人種においてもお酒の強さに違いあり
この遺伝子の型の違いは、実は黄色人種特有のもので、白人や黒人には見られないものです。
そもそも元の人間は、お酒の強いNN型だけしか存在していなかったようですが、何万年も前に黄色人種に突然変異が起き新たな型ができたらしいです。
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また、日本の中でもさらに地域別にお酒の強い人が多い地域、少ない地域が分かっています。
北海道・東北・九州・沖縄はお酒の強い人が80%以上いるという統計があります。
女性はお酒に弱い?
それでは男性と女性ではお酒の強さに違いはあるでしょうか?
男性陣としては、お酒が少々弱い女性の方が嬉しいかも知れませんね(笑)
アルコールは体重の軽い人の方が影響が出やすいということもありますが、実は女性ホルモンがアルコールの代謝を遅くすることが分かっています。
ですからやはり、男性より女性の方がお酒が弱いことになります。
そればかりではなく、女性はアルコールによる肝障害にもなりやすいので注意が必要です。
高齢になるとお酒に弱くなる理由
「若い頃はたくさん飲めたけど、最近弱くなったなぁ」そんな風に感じている方も多いと思います。
高齢になると、体内の水分量がだんだん減ってきますので、血中のアルコール濃度も高くなります。
その上に、アルコールを代謝する能力も落ちてくるため、酔いやすくなってしまうのです。
体への負担が大きくなりますので、若い頃より量を減らして楽しくお酒を飲めるようにしましょうね。
お酒の強さの調べる方法
自分のお酒の強さを知りたい方は「エタノールパッチテスト」という方法で調べることができます。
具体的には、
- 1.70%の消毒用エタノールを2、3滴絆創膏に付ける(絆創膏は薬が付いていないものを使用する)
- 2.上腕の内側など軟らかいところに絆創膏を貼る
- 3.7分後、絆創膏をはがして皮膚の色を確認し、絆創膏を元に戻す
- 4.さらに10分後、皮膚の色を再度確認する
このような手順で行います。
その結果、
- 7分後に確認した時点で貼っていた部分が赤くなった方は「お酒が飲めない体質」
- 10分後に確認した時点で貼っていた部分が赤くなった方は「お酒が弱い体質」
- 何も変化が起きなかった方は「お酒に強い体質」
このような結果になります。
しかしながら、この結果で「お酒が強い」と分かった方も、飲む量や体調によっては酔うことは十分にありますので、ご注意ください。
まとめ
お酒の強さを決めるのは、遺伝子の型によるものが大きいということでした。
それぞれのタイプの人が適量を心がければ、皆で楽しくお酒が飲めます。
このことをご存じない方がいましたら、楽しい飲み会のためにぜひ教えてあげてくださいね。
また、お酒に酔わない飲み方については、下記記事を参考にしてみてください。
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