おたふく風邪になったら仕事・出勤はいつから?
おたふく風邪は、3~6歳ごろの子どもがかかることの多い病気ですが、大人がかかることもあります。
そして、おたふく風邪になってしまった場合、仕事への出勤はいつからOKなのでしょうか?
そこで今回は、その辺りについて詳しくご説明していきます。
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おたふく風邪とは?
おたふく風邪とは、正式名称を「流行性耳下腺炎」といい、ムンプスウィルスが体内に侵入することによって起こる感染症です。
くしゃみや咳などで唾液が飛んで起こる飛沫感染、ウィルスが付着した手で触れたものを体内に入れてしまう接触感染などで容易にうつります。
発症すると、耳下腺部(耳の下、頬の後ろ、顎の下)が炎症を起こし、腫れ上がります。
片側から腫れ始め、1日から2日かけてもう片方も腫れ上がることが多いですが、片方だけで済むケースもあります。
耳下腺部が腫れている間は患部が痛むため、物がが飲みこみにくかったり、話し辛いなどの症状があります。
そして腫れは、通常1週間から10日程度で治まります。
まれに重症化して髄膜炎を引き起こすことがありますので、3日以上高熱が続いたり、激しい嘔吐や下痢が見られる場合には注意が必要です。
大人のおたふく風邪の特徴
ムンプスウィルスは病原性が弱く、感染しても、免疫力などで抑え込まれて発症しない「不顕性感染」が30~35%を占めると言われています。
また、感染してから発症まで、通常2~3週間という長い潜伏期間があります。
この二つの原因により、保菌者が気づかないうちに周りにムンプスウィルスをまき散らし、感染を拡大する事態を引き起こしているとも言えます。
一度おたふく風邪にかかった人やワクチンの接種経験者は、おたふく風邪の患者と接触しても発症の恐れはありません。
ですが、一度もかかったことがなく、ワクチンの接種も受けていない成人が、まれに発症することがあります。
大人でおたふく風邪にかかると、子どもに比べて重症化するリスクが大きいと言われます。
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激しい頭痛やうわごと、また腹痛や下痢などの症状があり、数日経っても改善しない場合は、無菌性髄膜炎を起こしている可能性があります。
また激しい腹痛がある場合は、膵炎を併発していることもあります。
いずれも生命に関わる危険な症状ですので、疑わしい場合は、一刻も早く病院を受診するべきです。
また、成人のおたふく風邪の患者のうち、女性の7%が卵巣炎を、男性の30%が精巣炎を併発することが明らかになっています。
おたふく風邪が不妊の原因となるケースはごくまれですが、精巣炎が重症化し、無精子症になることもありますので、早めの措置が必要です。
妊娠中の女性がおたふく風邪にかかった場合、胎児が奇形になるような心配はありませんが、流産のリスクが高まりますので、要注意です。
なので、「おたふく風邪にかかった記憶がない、ワクチン接種もしていない」という方は、ワクチンの接種をしておくことをおすすめします。
どちらか覚えていないと言う方は、病院で抗体検査をしてもらうことができますよ。
おたふく風邪になったら、仕事・出勤はいつから?
おたふく風邪は、学校保健安全法で指定された感染症です。
それにより定められた出席停止期間は、
- 耳下腺の腫れが完全に治まってから5日経っていること
- 全身状態が良好と認められること
もしくは医師が認めた場合、と定められています。
耳下腺の腫れが治まれば、感染力は消失していると考えられますので、その頃に医師と相談し、GOサインが出てから登校するのが望ましいとされます。
これは児童の場合ですが、感染による周囲への影響力という点から考えれば、一般企業のサラリーマンでも、同様に感染力が消失するまで出勤を控えた方がよいでしょう。
ただし、出勤停止の強制力を持つ伝染病ではないため、おたふく風邪で欠勤しても、風邪で休んだときと同じように有給扱いになる場合がほとんどだと思われます。
もし疑問があれば、念のために上司に確認を取ったのち、抱えている仕事の緊急性と社会常識の範疇との間で、各自判断するしかないようです。
まとめ
大人になってからおたふく風邪にかかった場合、重症化のおそれや、周りを感染させてしまう危険性など、色々と注意が必要です。
ウィルス自体は、うがいや手洗いなど風邪と同じ対策で防げますので、おたふく風邪の流行する季節には、特に気をつけた方がよさそうですね。
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